【一級建築士】学科Ⅰ【過去事例】その2~ウィーン郵便貯金局(ゼツェッシオン)~

学び直し

どうも。まるたろうです。
今回は一級建築士試験対策として過去事例オットー・ヴァグナーの「ウィーン郵便貯金局」についてみていきます。
今回のキーワード:オットー・ヴァグナー ウィーン郵便貯金局 ゼツェッシオン 必要様式
まずは過去問題をどうぞ。答えは最後に。

(1級学科Ⅰ:H27-No3)
次の建築作品名、人名、建築作品の特徴・背景の組み合わせは正しいか誤りか。
ウィーン郵便貯金局(オーストラリア,1906年)/オットーヴァグナー/ゼツェッシオン


ウィーン郵便貯金局は、オーストリアの建築家オットー・ヴァグナーが手掛けた近代建築の代表的な作品の一つです。この建物は、ゼツェッシオン(分離派)という芸術運動と深い関わりを持ちながら、機能性と美しさを融合させた革新的な設計で知られています。一級建築士試験においても過去問で出題されることがあるため、ここではその特徴や背景について詳しく説明します。

ゼツェッシオンとは

まずはこの問題でもっとも重要なゼツェッシオンについてです。
ゼツェッシオン(分離派)とは、19世紀末にウィーンで始まった芸術運動です。
伝統的な様式主義からの脱却を目指し、建築、絵画、工芸などの分野で新しい表現を模索しました。
この運動は、機能性や実用性を重視しながらも美的価値を追求することを特徴としており、オットー・ヴァグナーをはじめとする多くの建築家や芸術家が参加しました。

ウィーン郵便貯金局の概要

ウィーン郵便貯金局は、1904年から1912年にかけて建設され、当時の近代的な銀行業務を支えるための施設として設計されました。ヴァグナーはこの建物を通じて、建築における装飾の役割を再定義し、機能性を追求したデザインを提案しました。

まずは場所と外観を把握しましょう。
Googleマップのリンク↑に用意していますので一度見てみましょう!
(※Googleマップの埋め込みを使用しています)

建築の特徴

素材と構造

ウィーン郵便貯金局の最大の特徴の一つは、外壁に採用された白い大理石のパネルです。このパネルは、金属製のリベットで固定されており、装飾性だけでなく建物の構造的な要素も強調しています。リベットは機械時代の象徴であり、産業革命の影響を受けたデザインと言えます。

さらに、建物には鉄骨構造が取り入れられており、軽量化と大空間の確保が実現されています。この構造は、当時の伝統的な石造建築からの脱却を示す重要なポイントです。

機能性とユーザー体験

内部空間は、銀行業務の効率化を考慮した設計がされています。大きなガラス天井を持つホールは、自然光を最大限に取り入れることで明るく開放的な雰囲気を作り出しています。また、通風や暖房などの環境要素も綿密に設計されており、利用者と従業員の快適性が重視されています。

ゼツェッシオンとの関係

ウィーン郵便貯金局は、ゼツェッシオン運動の理念を体現した建築です。ゼツェッシオンは、伝統的な様式に縛られず、自由な表現と機能性を追求することを目的としていました。ヴァグナー自身もゼツェッシオンのメンバーであり、この建物には彼の思想が反映されています。

特に注目すべきは、無駄のないシンプルなデザインと幾何学的な装飾です。これにより、建築が持つ本来の目的や機能が際立ち、時代を超えて評価されています。

下記に大変わかりやすい画像などを掲載されているサイトのリンクを貼ってあります

郵便貯金局 | ウィーンの建築を訪ねて(オーストリア)No.38 | Tabi/世界の建築 | お知らせ | デザイナーズマンション,株式会社リネア建築企画

一級建築士試験におけるポイント

ウィーン郵便貯金局は、以下の観点で一級建築士試験の過去問に出題される可能性があります。

  • 構造と素材の特徴: 鉄骨構造の採用や大理石パネルの使用方法
  • ゼツェッシオン運動との関係: デザイン理念やオットー・ヴァグナーの思想
  • 内部空間の工夫: 自然光の取り入れ方や空間の効率化

これらのポイントを押さえておくことで、試験対策に役立てることができます。

それでは回答です

それでは冒頭の過去問題の答えです。
正しい枝となります。ウィーン郵便貯金局はゼツェッシオンとの関りなど計画というよりはレッドハウス同様歴史として知ってほしいという意図があるようですね。
私は郵便貯金局とか聞くと優しいイメージなどで実は少し覚えにくかった内容です…
内装は意外と近代的で洗練されたイメージです。特にウィーン郵便貯金局はアーツアンドクラフト運動を背景に…などといわれるとなんかそうだったかも!と引っ張られやすいので明確に分けましょう!

アーツアンドクラフト運動やレッドハウスについてはこちら読んでください。

まとめ

ウィーン郵便貯金局は、機能性と美しさを兼ね備えた建築として、現代建築の礎を築いた重要な作品です。ゼツェッシオン運動やオットー・ヴァグナーの思想を理解することで、この建物の意義がより深く感じられるでしょう。

一級建築士試験では、こうした名建築の背景や特徴をしっかりと学び、過去問を通じて知識を整理することが重要です。

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